アジアユースオーケストラ(AYO)日本公演2026の出演者をご紹介します。
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- アジアユースオーケストラ / Asian Youth Orchestra(AYO)
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設立:ユーディ・メニューイン/リチャード・パンチャス
100名のアジアユースオーケストラ(AYO)のメンバーは、中国、香港、台湾、日本、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの11カ国・地域での厳しいオーディションをくぐり抜け、天津ジュリアード学院での3週間のリハーサル・キャンプに続き、国際的に活躍する著名な指揮者やソリストとの3週間のツアーを行い、毎夏約6週間の活動をしています。
1990年以来、受賞歴のあるアジアユースオーケストラは、アジア、欧州、米国、オーストラリアで456の公演を行い110万人もの観客を魅了してきました。これまで17才から29才までの2.5万人もの音楽家がオーディションを受けてきました。
創立から35年でチェロ奏者ヨーヨー・マ、ミッシャ・マイスキー、ジャン・ワン、アリサ・ワイラースタイン、ヴァイオリン奏者のギドン・クレーメル、ギル・シャハム、エルマー・オリヴェイラ、ヤンウク・キム、諏訪内晶子、チョーリャン・リン、服部百音、ソプラノのエリー・アーメリング、ピアニストのアリシア・デ・ラローチャ、セシル・リカド、レオン・フライシャー、ジャン・ルイ・ストイアマン、ボザール・トリオらと共演しました。
また指揮者には、首席指揮者のジェームズ・ジャッド、名誉指揮者のセルジュ・コミッショーナ、アレクサンダー・シュナイダー、タン・ドゥン、オッコ・カム、マティアス・バーメルト、ジョセフ・バスティアンそして偉大なる音楽家である故ユーディ・メニューインと創設者リチャード・パンチャスを迎えてきました。
ボルティモア交響楽団、ボストン交響楽団、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団、アトランタ交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、モネ交響楽団(ブリュッセル)、ヘリックス・トリオ、ボストン音楽院、ピーボディ音楽院、天津ジュリアード学院などからの音楽家による指導を受けています。
2010年に高松宮殿下記念世界文化賞若手芸術家奨励賞、2015年に第20回日経アジア賞(文化・社会部門)を受賞したAYOは、中国本土においては海外からのどのオーケストラよりも多くの都市・地域でコンサートを行い、ベトナムでは過去50年において初の海外からのオーケストラ公演となりました。
1997年に香港と北京でおこなわれた香港返還式では、タン・ドゥンの「交響曲1997」の世界初演でヨーヨー・マと共演しました。
ホワイトハウスや国連本部、ニューヨークのエイブリーフィッシャーホール(デビッド・ゲフイン・ホール)、ハリウッド・ボウル、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ベルリンのコンツェルトハウス、ウィーンのコンツェルトハウス、シドニーのオペラハウス、そして日本や東南アジアの国々で演奏してきました。
音楽を志すアジアの青少年が、アジアにおいて自分達で音楽を作り上げることに誇りを感じ、有名アーティスト達との共演やツアーを経験することを通じて、優秀な才能が育まれ成長していくことを、AYOの真の目的としています。
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- ジョセフ・バスティアン / Joseph Bastian(首席指揮者)
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アジアユースオーケストラは、若い世代の最もエキサイティングな才能の一人であるスイス系フランス人指揮者のジョセフ・バスティアンを2022年から首席指揮者に迎えています。ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツと国境を接するフランスのロレーヌ地方の出身であり、スイス系フランス人の家族に生まれ、チェロ、トロンボーン、及び作曲を学んだバスティアンは、ザール音楽大学でトロンボーンを専修した後、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団やミュンヘン交響楽団のアカデミーオーケストラのメンバーを経て、バイエルン放送交響楽団のバス・トロンボーン奏者を務めました。
最近の公演ではバイエルン国立歌劇場、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団(ブレーメン)、ベルリン・ドイツ交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、バルセロナ交響楽団、プラハ放送交響楽団、シュツットガルト放送交響楽団の指揮をしており、2022年にはチューリッヒ歌劇場でのデビューを果たし、ハイドンの「月の世界」の5公演を指揮しています。
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- ジョン・アクセルロッド / John Axelrod(客演指揮者)
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ジョン・アクセルロッドは、国際的に高い評価を得ている指揮者です。約30年にわたるキャリアの中で、そのダイナミックな解釈、知的好奇心、そしてカリスマ的なエネルギーによって、他の追随を許さない地位を築いてきました。2026年に還暦とキャリア30周年を迎える彼は、核となるクラシック曲目から現代作品やクロスオーバー作品に至るまで、幅広いレパートリーに対する深い音楽性と革新的なプログラミングで称えられています。
彼のリーダーシップは、数々の名誉あるポストによって認識されています。2022年からは、ブカレスト交響楽団の首席指揮者、およびブカレスト指揮アカデミーの審査員長を務めています。2024年には、東京音楽大学の名誉客員教授に任命されました。これまでの役職には王立セビリア交響楽団の芸術・音楽監督(2014-2020年)、ルツェルン交響楽団の首席指揮者(2004-2009年)、フランス国立ロワール管弦楽団の音楽監督(2009-2013年)などがあります。
アクセルロッドは世界中の著名な指揮台に頻繁に客演し、これまでにベルリン放送交響楽団、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、NHK交響楽団、そして米国ではシカゴ交響楽団やロサンゼルス・フィルハーモニックなど、200近くのオーケストラを指揮してきました。オペラの公演も数多く手がけ、ミラノ・スカラ座、フェニーチェ劇場、ローマ歌劇場、プッチーニ音楽祭などで指揮を執っています。
音楽への貢献は指揮台の上だけにとどまりません。熱心な教育者としても知られ、パンデミックの最中には指揮者向けオンラインマスタークラス(CMO)を設立しました。
アクセルロッドのディスコグラフィーは膨大で、ソニー・クラシカル、ワーナー・クラシックス、ナクソスなどのレーベルから録音を発表しています。2023年にオーキッド・クラシックスからリリースされた、ブカレスト交響楽団との『シューマン 41/51:フロレスタンとオイゼビウス』は、シューマンの交響曲第4番の両版を革新的に提示したことが評価され、国際クラシック音楽賞にノミネートされました。
レナード・バーンスタインとクリストフ・エッシェンバッハに師事したアクセルロッドは若手指導者への強いコミットメントを維持し、ヨーロッパや日本のユースオーケストラと定期的に活動しています。ハーバード大学を卒業後、サンクトペテルブルク音楽院でイリヤ・ムーシンに師事。これらの経験は、音楽の力に捧げられた多面的で永続的なキャリアの基盤となっています。
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- アンナ・ツィブレヴァ / Anna Tsybuleva(ピアノ・ソリスト)
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グラモフォン誌から「卓越したピアニズムと知性に満ちた音楽性」を体現すると評されたアンナ・ツィブレヴァは、2015年のリーズ国際ピアノコンクールで優勝したことをきっかけに国際的な評価を得ました。インターナショナル・ピアノ・マガジンは彼女を「稀なる才能のピアニスト」と称えています。
1990年、コーカサス山脈の人口500人の小さな村、ニージニー・アルヒズでツィブレヴァは生まれました。この自然に囲まれた幼少期が、大ホールであっても観客を魅了する親密な演奏スタイルに深く影響を与えており、彼女の『ドビュッシー前奏曲全集:ザ・ビジュアル・アルバム』(2023年)ではこの独自のアプローチが見事に表現されています。
ツィブレヴァは6歳の時に母のもとでピアノを始め、後にモスクワの中央音楽学校、そしてリュドミラ・ロシナ教授のもとチャイコフスキー音楽院で学びました。在学中にエミール・ギレリス記念国際ピアノコンクールで優勝(2013年)したほか、浜松国際ピアノコンクール(2012年)および高松国際ピアノコンクール(2014年)で最高賞を受賞。2014年のチャイコフスキー音楽院卒業時に最高の栄誉である「最優秀学生賞」に輝いたツィブレヴァはその後、バーゼルでクラウディオ・マルティネス=メーナーに師事し、ドイツ・ロマン派レパートリーへの情熱を深めました。
彼女はこれまでにアムステルダムのコンセルトヘボウ、チューリヒのトーンハレ、ロンドンのウィグモア・ホールなど世界中の著名な会場で演奏を行ってきたほか、協奏曲のソリストとしてロイヤル・リバプール・フィルハーモニー管弦楽団、東京都交響楽団、フランクフルト放送交響楽団などのオーケストラと共演し、ユーリ・テミルカーノフ、マーク・エルダー、マリン・オルソップら指揮者と共演しています。
特に、ベルリン・ドイツ交響楽団とのブラームス「ピアノ協奏曲第2番」の録音(Signum Classics, 2021年)は批評家から高い評価を受け、グラモフォン誌はその「詩的な叙情性」を称賛し、BBCミュージック・マガジンは彼女の「深い共感力」に注目しました。2022年にマリン・オルソップ指揮のロンドン交響楽団と共に新たに委嘱されたピアノ協奏曲の世界初録音を行ったのに続き、2024年にはドビュッシー『前奏曲集』を発表しました。
ツィブレヴァは自然に囲まれ、現在、世界最大の宇宙望遠鏡が設置されている10世紀の寺院を抱える故郷で音楽と科学、宇宙を融合した「アルテルソーノ・フェスティバル」を創設。ヤマハ・アーティストであるツィブレヴァは、「同世代で最も優れたピアニストの一人」(インターナショナル・ピアノ・マガジン)としての地位を確立し続けています。
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- ステファン・シエ / Lingfei Stephan Xie(ピアノ・ソリスト)
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2025年の天津ジュリアード・ピアノフェスティバル優勝者のステファンは、中国の伝統芸術を継承する家庭に生まれ、8歳で音楽の道を歩み始めました。カナダのロイヤル・コンサーヴァトリー・オブ・ミュージックの「フィル&イーライ・テイラー・アカデミー・ヤング・アーティスト・プログラム」プレカレッジ部門でマイケル・ベルコフスキー博士の指導を受け、その後イェール大学音楽院でボリス・ベルマンとヤン・ウェイイに師事しました。現在はシンガポールのヨン・シウ・トウ音楽院でアン・ニン(寧安)の指導を受けています。
ステファンは数多くの国際コンクールでの受賞歴を誇ります。米国で2017年にアメリカで開催されたベーゼンドルファー・ヤマハUSASU国際ピアノコンクールで第2位に入賞。15歳でトロントのケルナーホールにてロイヤル・コンサーヴァトリー・オブ・ミュージック・アカデミー室内管弦楽団とデビューを果たし、早くもその類い稀な音楽的成熟度と感受性により批評家の称賛を受けました。第5回カナダ全国ショパンコンクールでグランプリを受賞し、続く第18回ショパン国際ピアノ・コンクールでは第4次予選まで進出しました。
ステファンは北米、ヨーロッパ、アジアで幅広く演奏活動を行っており、特にパリのサル・コルトーやウィーンのエステルハージ城での演奏に招かれたことは特筆に値します。2021年にはポーランドの複数の会場で開催された「国際ショパンとそのヨーロッパ音楽祭」に参加しました。最近では、張国勇(チャン・グオヨン)音楽監督に招かれ、貴陽交響楽団と数回にわたり共演し、その後アジアの複数の都市でピアノリサイタルシリーズを行っています。